不動産王と呼ばれた、米国屈指のビジネスマン!?
アメリカ大統領「ドナルド・トランプ」を知ろう

2020.03.27

英語で「火」を意味する「fire」。ほかに動詞の訳で「〜を解雇する」があるのを知っていますか? アメリカのテレビ番組において「You’re fired(お前はクビだ)」の決め台詞で人気を博した有名人がいます。「ドナルド・ジョン・トランプ(Donald John Trump)」。2020年3月現在、アメリカの大統領をしている人です。トランプ氏がどのような人で、どういった政治をしているのか簡単にまとめてみましょう。

不動産王と呼ばれたトランプ氏

トランプ氏は1946年6月14日生まれ、ニューヨーク州ニューヨーク市の出身です。ペンシルベニア大学のウォートンスクール(ビジネス)を卒業後、事業家の父親から援助をうけ、自身も不動産業やホテル・カジノ・ゴルフ場経営をスタートします。

最終的には父から事業を引き継ぎ、マンハッタンの中心部5番街に自身の名前をつけた高層ビル「トランプ・タワー」を建てるなどビジネスマンとして成功をおさめ“不動産王”と呼ばれるようになります。最初に紹介したように自らテレビ番組に出演して司会を務めており、大統領になる前から知名度のあった有名人だったのです。

マスコミを活用した選挙戦術で見事当選

2016年11月8日に本選挙投票の行われた選挙で勝ち、トランプ大統領は第45代米国大統領に就任します。これ以前からも選挙出馬を口にする機会はありましたが、どれもほのめかすだけに終わり、2016年の選挙も本当に出ると思っていたマスコミは最初少なかったといいます。

そこでトランプ氏がとったのは過激な発言で注目を集める作戦です。メキシコからの不法移民の入国について乱暴な決めつけをしたり、2008年大統領選の共和党候補を侮辱したりしました。マスコミはトランプ氏の発言を批判しますが、結果としてトランプ氏の露出拡大・知名度向上をアシストする形になったのです。

現状への批評とシンプルな論理を武器に、有権者の政治不信や不満に訴えるアピールをトランプ氏は展開します。中国やメキシコに工場が移転し米国人が働けなくなったのは政治家のせいだと批判し、元々政治家でもなく、自身が富豪であるため選挙資金も自費でまかなえ、有権者のために自分は働けるとアピールした効果は大きかったのでしょう。選挙前の評判を覆し、民主党候補ヒラリー・クリントンを下し、第45代米国大統領に就任するのでした。

日本の安倍首相と仲の良さも有名

大統領就任後は「アメリカファースト(米国第一主義)」を掲げて、国内経済の復活に寄与しています。中東・ロシア・北朝鮮などとの問題解決はもちろん、選挙中からも牽制していた中国には、「日中貿易戦争」と呼ばれる厳しい姿勢で臨んでいるのが見受けられます。

「GAFA(Google・Apple・Facebook・Amazon)」の台頭などでリードしてきた情報通信業界における中国の追撃を牽制しているなど、様々な議論が交わされているところです。

日本は、同盟国であるだけでなく、トランプ大統領と安倍晋三首相の仲の良さが国内で大きく知られています。軍事費の増大を迫ったり、為替レートを低く抑えていると批判したりとプレッシャーをかけているのは事実でしょう。ただ、首相が次々に変わる時期のあった日本において安定的に選挙で勝利をおさめ歴代最長の在職期間を誇る安倍首相をトランプ氏は認めているとの見方もできます。

2020年11月の次期大統領選にも注目

米国大統領の任期は4年のため、2020年11月3日に次の大統領選が行われる予定です。日本のメディアでも取り上げられているので、情報を追っている人もいるかもしれません。トランプ氏が2期目へと続投するのか、共和党・民主党からトランプ氏に代わるニューリーダーが生まれるのか。ぜひみなさんも注目してみてください。