グラフが2本になるのに注意!?
「比例・反比例」をおさらいしよう

2020.03.27

以前紹介した「合同」と「相似」のように、中学数学では似たような言葉や考え方が出てきます。合同・相似と同じく混同しやすい単元に、「比例・反比例」が挙げられるのではないでしょうか。今回は、比例・反比例を基本からおさらいしてみましょう。

グラフは右肩あがりの直線!「比例」について

まずは「比例」を説明します。特徴をまとめると上の通りですが、頭に入っているでしょうか? アルファベットの「x」と「y」は「変数」です。この辺りから分からない人は教科書を少し戻って「関数」の単元から復習しましょう

aは「比例定数」を意味します。たとえば、ジュース1本が100円だったとしましょう。xはジュースを買った本数、yは合計金額だとすると下のような式ができます。

合計金額(y円)=ジュース1本の値段(100円)×買った本数(x本)
y=100x

上の式にしたがうと、1本買えば合計金額は100円、2本買えば200円、3本で300円……となるのが分かるでしょうか。この場合、ジュースの本数に応じて合計金額は変わっていますが、1本の値段は100円のまま変わっていません。このように、変数x・yが変わったとしても変化しない(定まっている)数を「比例定数」とよび、「a」のアルファベットで表すのです。

例にしたがってグラフを作ると上の図のようになります。aが正の数のため、右上がりの直線で、a=0(1本)も買わない場合はお金もかからないのでy=0で原点を通ります。

「反比例」はグラフが2つになるのに要注意

そして分からないと悩みがちな「反比例」を次はみてみましょう。反比例は長方形を例にして説明します。長方形の面積はたての長さ×よこの長さで求められます。そこで、面積がちょうど18〖cm〗^2になるたて(x)とよこ(y)の長さの組み合わせをもとに「対照表」をつくると下のとおりです。

x:1、2、3、6、9、18
y:18、9、6、3、2、1

xを2倍するとyは1/2、xを3倍するとyは1/3……となっているのが分かるでしょう。これを式にしてきれいにすると下のようになります。

たての長さ×よこの長さ=長方形の面積
x×y=18
x≠0(x=0では長方形が作れない)のため、両辺をxで割ると…
y=18/x

比例の式とは違い、右辺に分数があります。これをもとにグラフを作ると下のようになります。

左下にもグラフがあるのに気付けたでしょうか。先ほどの説明では、長方形の面積を例にしたためxとyは正の数になる場合だけを挙げましたが、下の組み合わせのようにxとyが負の数でも方程式は成り立つのです。

x:-18、-9、-6、-3、-2、-1
y:-1、-2、-3、-6、-9、-18

このように反比例のグラフは「式1つで2つの曲線ができる」のが特徴です。グラフは「双曲線」と呼ばれる場合もあります。また「グラフを伸ばしてもx軸・y軸にくっついたり交わったりしない」のも反比例のグラフの特徴です。

さらにaが正の数が負の数かで、x軸とy軸で区切られた4つの領域のうち、aが正の数のときは右上と左下に、負の数のときは左上と右下にグラフがそれぞれできるのも覚えておくと良いでしょう。

比例・反比例のグラフの書き方や見分け方

問題を解くとき比例・反比例のどちらの関係性かを見分けるのがコツになってきます。関係性が書いてある場合は、比例定数aを求めてxを代入してyを求めるようなシンプルな問題もあります。反対に関係性が書いていない場合は、xとyをつかって等式を作り、y=○の形になるまで右辺を整理するのを意識しましょう。また上の反比例の説明で書いた対照表を作ってみるのも1つです。

グラフを書く際、比例は簡単に書けるといってもいいでしょう。方眼紙などの目盛りに従い、点を打って定規で結べば直線になります。反比例の場合は、xとyの値からなるべく多くの点を方眼紙に打つのがポイントです。打った点を結ぶ際には滑らかな曲線になるように工夫しましょう。どちらもパターンや解法などが頭に入るように、がんばって問題演習をこなしてください。