4Gから5Gに。
通信が変わると私たちの生活はどうなる!?

5Gは通信速度が4Gの20倍

5Gとは、広帯域な高周波数を使用することによって通信速度を上げ、大容量の通信を可能にする通信システムを指します。正しくは「第5世代移動通信システム」、英訳の「5th Generation」から頭文字をとって5Gと呼ばれるようになりました。

日本では2020年3月からサービスが開始されています。100Mbps(0.1Gbps)～1Gbps程度だった4Gにくらべ、5Gの最大通信速度は20Gbps(目標理論値)です。平方kmあたりの同時接続数は100万台となり4Gの10倍になりました。より簡単な表現にすると通信速度が20倍、遅延が1/10、同時接続が可能なデバイスの数が10倍になったのです。

5Gの3つの特徴

数字的な特徴を説明によって性能が向上したのは分かったのではないでしょうか。さらに具体的に、5Gの特徴として下の3つを挙げて説明がされます。

高速・大容量

以前は送受信に時間がかかっていた高画質・大容量のデータもより高速で通信できるようになりました。映画のような2時間程度の映像データであれば数秒でダウンロードが可能です。

低遅延

高速通信によって遅延がなくなると、より時差のないリアルタイムでのコミュニケーションが実現します。また離れた場所からでも通信が可能で、医療や物流業界での技術革新が期待されているところです。

多数接続

「IoT：Internet of Things」をキーワードに、家中の電化製品がネットワーク接続で便利になる生活を実現しようとメーカーなどはがんばっています。多くの機器を一度につないでも安定的に高速通信ができるように5Gではなりました。

私たちの生活に見られる5Gの恩恵

より早くて便利な通信が可能になったイメージは持てたでしょう。さらに、私たちの生活面にどのように恩恵をもたらすのかまでさらに具体的に考えてみます。

自動運転

通信によって車間距離を保ち、安全に車を走行させる仕組みです。例えば、アクセルやブレーキの操作情報を遅延なく周囲の車に伝えられれば、衝突を回避できると考えられています。

遠隔治療

5Gによって離れた場所からでもモニターの映像を介して診断を行えるようになります。医師不足が叫ばれる地方と都市部との医療格差を是正するのに効果が期待されています。

多様な映像配信

4Kや8Kの高画質な映像をスムーズに楽しめるのはもちろん、下のような多彩な表現技法での映像表現も可能になりました。これらの新しい技術は、エンターテインメント/ゲーム/医療/商品開発/技術開発などの多くの分野ですでに利用され始めています。

• ●AR（Augmented Reality）：拡張現実。視界を遮らないゴーグルを介して、現実の世界にある風景にデジタル映像を重ね合わせて見せる。
• ●MR（Mixed Reality）：複合現実。ARに似ているが、現実世界にある障害物などを把握して、それに合わせたデジタル情報を現実世界に重ね合うように表示する。
• ●VR（Virtual Reality）：仮想現実。視界を覆うゴーグルを用いて、完全にデジタル映像の仮想空間を写して現実とは違った世界を体験する。

生活空間のスマート化

IoTを上で紹介しましたが、多くの電化製品がネットワーク接続されれば家や職場での生活が効率的かつ安心・安全になると期待されています。

• ●スマートホーム：エアコンや洗濯機・鍵・照明などがスマホだけで操縦できるようになります。とくに今まではwi-fiを介して通信していた機器も、5Gでは直接ネットワークに接続して利用の幅が広がると言われています。
• ●スマートオフィス：職場以外でも、職場と同じ環境で仕事ができるようになります。会議はテレビ電話、書類管理はクラウドサービスの利用によってリモートワークやコスト削減を実現する取り組みです。
• ●スマートショップ：セキュリティ対策や顧客調査などが簡単になり、街中のお店が無人店舗になる可能性もあります。顔認証や物体検知などによって人の動きを把握し、決済もキャッシュレス化がより進むといわれています。

米中韓など、すでにサービス開始した国も

4G通信が終わるわけではなく、4Gをベースに安定した通信を担保しつつ、より高度な通信を5Gを介して行っていこうとしている段階です。米国・中国・韓国など5Gのサービスがすでに開始されている国もあり、日本国内でも使えるエリアを広げている真っ最中といえるでしょう。

また中学生のあなたは「オンライン授業」を利用しているかもしれません。離れた場所でも高画質な映像が見られるのは通信技術が発展したおかげです。5Gの恩恵も感じつつ、勉強もしっかりやりましょう！