“普通科”って何するの?
商業や工業など、高校の「学科」を知ろう

2019.10.25

国内の高校生のうち73.1%が「普通科」に通っています(平成30年5月時点)。高校生の大半が普通科の生徒なわけですが、何を勉強する学科なのか中学生のあなたは知らないかもしれません。あなたが通うかもしれない高校が何を勉強する学科で、どういった進路を想定しているのか。まとめて紹介していきましょう。

受験をみすえて、国数英理社など一般教養を深く学ぶ「普通科」

高校生の73.1%が通っている「普通科」とは、一般教養を広く学べる学科です。中学校でも勉強してきた国語・数学・理科・社会・英語の教養科目や保健体育・芸術・家庭科・情報の実技科目を改めてより詳しく学びます。

卒業後の進路に大学や短大への進学を考えている人が多く、授業も受験対策を念頭にしている学校が多いといえるでしょう。特進クラスや進学コースなど、成績優秀者を選りすぐる制度を設けている学校もあります。

特定の分野に特化して知識やノウハウを学ぶ「専門学科」

「専門学科」と聞いても馴染みがないかもしれませんが、商業科や工業科が専門学科に分類されます。一般教養の授業もうけつつ、ある分野に特化して知識や技術を学ぶ学科です。資格の取得にも積極的に取り組みます。

また専門学科も「職業学科」と「普通系専門学科」に分けられます。名前のとおり、職業学科は仕事に直結する分野の勉強をし、普通系専門学科は普通科で勉強する一般教養から特定に科目を集中的に勉強する学科です。理数科や英語科・音楽科などが普通系専門学科に属します。

普通系専門学科は普通科と似ている面もありますが、職業学科は馴染みのない人もいるでしょう。代表的な学科をピックアップしてみました。ほかにも気になる学部がある人は調べてみましょう。

商業

ビジネスについての勉強に特化。パソコンの使い方や仕事の書類の作り方・読み方を学ぶ。情報処理/プログラミング/簿記/マーケティングなど。

工業

技術者(エンジニア)を育てる。自動車や船・建物などのものづくりの勉強をする。機械/電気・電子・情報技術/建築・土木/化学・材料/繊維・インテリア・デザインなど。

農業

食べ物や自然環境についての勉強をする。畜産/農業機械/食品化学/森林科学/造園計画/測量など。

家庭

家庭生活で使用する知識やノウハウを学習する。栄養士や保育士、デザイナーなどを志望する人が通う。実験や実習が多い。調理/被服/栄養学など。

看護

国家試験を合格して看護師や准看護師の資格を取得するのを目的としてカリキュラムが組まれている。病気の知識や人の看護をするときのスキルを身に着ける。



大学や短大に進学する人もいますが、就職をしたいと考えている人が多数派です。進学する場合、推薦入試を選ぶか、一般入試を考えているならば自分で塾を利用するなどして受験科目の勉強をするようになります。

自由度が高く大学のような「総合学科」

最後の「総合学科」は、普通科と専門学科を合わせたような学科といってもいいかもしれません。必須科目がいくつかあるものの、受講する授業を自分で決められる大学に近いシステムをとっている学科です。

進路や就職先によって、自分が考えて授業を受けなければなりません。人気の高い授業が抽選になったり、授業が想像以上に高度でついていけなかったりとデメリットを指摘する声もあります。

しかし、一般教養も学びつつ専門的な分野にも触れられる総合学科は、進路希望がはっきりしていない状態で自分の将来を考えるには適したシステムといえるでしょう。

学校ごとで違う特徴をしっかり調べよう

高校の学科を簡単に紹介しましたが、学校ごとで名称はもちろん勉強する内容や卒業生の進路が異なります。ホームページやパンフレットにくわえて、学校説明会に参加したり在校生の先輩の話を聞いたりして、自分の考え方に合う高校かをしっかり考えてみてください。